胚芽について

胚芽米は、米種子の胚芽を残すように特別な方法で精白したお米で、普通の精白米と比較して微量栄養素や生理機能成分が豊富に含まれており、玄米よりも食べやすく消化されやすい特徴があります。つまり胚芽米(胚芽玄米)は、栄養価を損なわずに白米の持つおいしさを追求したお米ということになります。

 

そのポイントとなっているのが「胚芽」というわけです。まったく精白していない米種子を玄米といいますが、その玄米の一番外層は、黒褐色の堅い果皮で、その内側の薄い膜状の種皮が、胚乳と胚芽を包んでいます。

 

種皮は米種子における水分や酸素の出入りを調節する役割を果たしています。胚乳は、米種子の本体でデンプンが主成分です。このデンプンが、種子が発芽して成長するためのエネルギー源になります。

 

胚乳表面は、タンパク質と脂肪からできた糊粉層が覆っており、発芽時には、この糊粉層にある酵素がデンプンを分解してエネルギー源になりやすいブドウ糖に変えます。米のとぎ汁は白く濁っていますが、これが糊粉層が脱落するからです。

 

胚芽は、米種子の先端に胚乳に食い込むようにして埋め込まれています。胚芽と胚乳の境界面には胚盤という組織があり、胚芽はこの胚盤を通して、胚乳から養分を吸収して生長します。その結果、胚芽は、タンパク質、脂肪、ビタミン、ミネラルを豊富に含むことになるのです。胚芽玄米が健康に良いわけがこうしたところにあります。